”朔旦冬至(さくたんとうじ)”って
あまり耳なれない言葉ですが、
19年に一度しかない
おめでたい冬至なんです。
では、朔旦冬至とは何か、
普通の冬至とどう違うのかを
ご説明したいと思います。
朔旦冬至と普通の冬至はどう違う?
今年(2014年)の冬至は12月22日で、
19年に一度の朔旦冬至です。
朔旦冬至の説明の前に、まず冬至とは何かを
ご説明します。
冬至とは、二十四節気(にじゅうしせっき)※の
22番目、一年で最も昼の時間が短い日のことを
いいます。
※二十四節気とは、1年を24分割(夏至と冬至・
春分と秋分の各点で4分割し、それぞれの中点に
立春・立夏・立秋・立冬をおき(八節)さらに
それぞれを3分割する)し、約15日ごとの
季節に分けたもの。
昼の時間がこの日を境に長くなっていくことから、
冬至は太陽が再生する日ととらえられてきました。
これを”一陽来復(いちようらいふく)”といいます。
朔旦冬至とは冬至と新月が重なる日で、
とてもおめでたい日といわれています。
何がめでたいのかというと、
新月もまた、その日を境に
月が徐々に光を取り戻していくことから、
月が再生する日、ととらえられていました。
つまり、朔旦冬至とは、”太陽の復活”と
”月の復活”というおめでたいことが2つも重なる
ため、とても縁起が良い日とされてきました。
そして、朔旦冬至には、原点回帰という思想もあり、
盛大な祝宴が催されていました。
朔旦の”朔”とは新月の意味、”旦”とは朝・夜明けを
意味します。
月の満ち欠けのサイクルと、冬至のサイクル(1年)は
微妙にすれ違うため、
2つが重なるのが19年に1度と非常に少なく、
今年(2014年)はとても珍しい冬至
ということになります。
朔旦冬至と神宮式年遷宮について
なぜ伊勢神宮の式年遷宮※が20年に一度に
なったのか、諸説ありますが、
朔旦冬至のサイクルが
関係しているのではないか、という説があります。
※式年遷宮とは、伊勢神宮の建物すべてを建て替え、
御装束・神宝も新調し、今までの社殿から
新しい社殿へと神様に移っていただく行事。
式年遷宮は天武天皇が発案し、
持統天皇の御世に初めて行われた。
しかし、朔旦冬至は19年に一度、
式年遷宮は20年に一度と、
ズレがありますよね?
これは、日本では数え年(生まれた時を1歳と数える)
で年齢を表していたことから、
満20年ということは数えで19年、
したがって、昔は19年ごとだったのではないか、
と言われています。
それが、きりが悪いからか(!?)現在のような
20年周期で執り行われるようになった、
という説です。
もしこの説が正しいなら、昔の人は今よりずっと
”太陽”や”月”を神聖視していた、ということですね。
まとめ
現代では、二十四節気や雑節などは、
人々の思想からどんどん
遠ざかっていっているように思います。
カレンダーにも、昔は二十四節気・雑節などが、
小さく印字されていたものが多かった
ように思うのですが
最近ではあまり
見かけなくなってしまいました。
日常の雑多に追われて
それどころではないかもしれませんが、
たまには夜空の月を見上げながら、
季節を感じてみるのもいいかもしれませんね。